単価の話エンジニアの値段は、誰がどう決めているのか
PRNO.001更新 2026-09-04単価の構造発注側の実感

エージェント経由の案件で、誰が何を取っているのか

フリーランスエンジニアの「単価」には、客先請求額と手取りの2つがあります。その差はマージンです。発注する側として見積を受け取ってきた立場から、金額がどこで削られるのかを分解します。

発注側の実感:筆者が実際に見積を受け取り、発注した経験に基づきます

フリーランスエンジニアの「単価」という言葉は、2つの違う金額を指しています。

  • 客先請求額:発注側の会社が払う金額
  • 手取り:エンジニアの口座に入る金額

この2つは同じではありません。差がマージンです。

この記事は、発注する側の視点で書きます。筆者は開発を外部に依頼する側で、エージェント経由の見積も、直接契約の見積も受け取ってきました。エンジニア側の体験談ではありません。

立場の開示

筆者は法人で開発を発注する側です。フリーランスエージェントに登録して働いた経験はありません。

この記事で書けるのは「発注側に見えている景色」と「各社の公開情報」だけです。

エージェント側の内部事情や、登録後の使用感は書きません。

発注側が見ているのは「客先請求額」だけ

まず、身も蓋もない事実から。

発注側は、エンジニアの手取りを知りません。

エージェント経由で人を入れるとき、こちらに提示されるのは客先請求額です。「月100万円です」と言われれば、100万円を払います。そのうちいくらがエンジニアに渡り、いくらがエージェントに残るかは、契約書に書かれていません。

同じ案件で、手元に残る額はこう変わる
同じ案件で、手元に残る額はこう変わる

これは発注側が意地悪をしているわけではなく、構造的に見えないというだけの話です。だからこそ、エンジニア側は自分でマージン率を確認する必要があります。

マージン率を公開している会社と、していない会社がある

エージェントは大きく2種類に分かれます。

型特徴
マージン非公開型客先請求額を開示せず、エンジニアには手取り額だけを提示する。大手に多い
マージン公開型客先請求額とマージン率を開示する。「マージン率◯%」と明示している会社がこちら

どちらが得かは一概に言えません。非公開でも手取りが高ければそれでよく、公開でもマージン率が高ければ意味がありません。

見るべきは率ではなく、最終的な手取り額です。

率だけで比べると間違えます

「マージン10%」と「マージン25%」を比べて前者が得だとは限りません。

前者が客先請求80万円・後者が客先請求110万円なら、手取りは 72万円 対 82.5万円 で後者が上です。

必ず手取りの実額で比べてください。

発注側から見て、単価が上がる人・上がらない人

これは公開データではなく、発注してきた側としての実感です。数字の裏付けはありません。

単価が上がる人

「何ができるか」ではなく「何を引き受けるか」を言える人。

発注側が本当に困っているのは、手を動かす人がいないことではありません。仕様が決まっていないことです。

「決まっていない部分は、こちらで整理して提案します」と言える人は、同じ実装スキルでも単価が変わります。こちらの意思決定コストを引き受けてくれるからです。

単価が上がらない人

言われたものを作る人。

これは能力の話ではなく、発注側にとっての置き換えやすさの話です。仕様が完全に決まっている作業は、誰がやっても同じ成果物になります。そうなると、発注側は安い方を選びます。合理的な判断なので、責めても仕方がありません。

AIコーディングが普及して、この傾向は強まっています。仕様が明確な実装ほど、AIで代替できる領域に入ってきているからです。

逆に、仕様を決める工程は代替されていません。ここが単価の分かれ目になりつつあります。

交渉のときに発注側が見ていること

これも実感です。

  1. 代わりが見つかるかどうか。 これがほぼすべてです
  2. 引き継ぎコスト。 抜けられたときに困る人ほど、値上げが通ります
  3. すでに動いているものがあるか。 実績のある人の値上げは通しやすい

つまり単価交渉は、参画前より参画後の方が通りやすい。これは発注側の都合であって、エンジニア側にとって公平な構造ではありませんが、そうなっています。

エージェントを比べるなら

複数に登録して、同じスキルセットで実際に提示される手取り額を比べるのが確実です。公開されているレンジは幅が広く、それだけでは判断材料になりません。

フリーランス・転職エージェント← 横スクロール →
フリーランス
レバテックフリーランス
案件紹介常駐中心
ITエンジニア向けの案件紹介
職種別の単価情報を公開
公式サイトを見る
フリーランス
TECHBIZ
案件紹介報酬交渉
案件探しと報酬交渉の支援を掲げる
公式サイトを見る
転職
Geekly
転職支援IT/Web/ゲーム
IT・WEB・ソーシャルゲーム業界に特化
公式サイトを見る

いずれも各社の公開情報に基づく記載です。筆者はこれらのサービスに登録していません。登録前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。

参考:情報通信業の賃金(正社員の相場感)

フリーランスの単価を考えるとき、正社員の相場は比較対象になります。公的統計で確認できる数字を置いておきます。

391.0千円
情報通信業の賃金(月額・男女計)
令和6年賃金構造基本統計調査
330.4千円
全産業平均
同上
+60.6千円
差額
単純差
情報通信業の賃金は、全産業平均より 60.6千円 高い
情報通信業の賃金は、全産業平均より 60.6千円 高い

いずれも一般労働者・男女計・所定内給与額(月額)で、年収でもボーナス込みでもありません。出典は厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(令和7年3月17日公表)、2026年9月3日に確認しました。

情報通信業は16産業中4位で、全産業平均を 60.6千円 上回っています。フリーランスの手取りがこれを大きく下回るなら、リスクに見合っているかを考え直す材料になります。

この記事の根拠

内容根拠
マージンの構造・非公開/公開型の分類各社の公開情報
単価が上がる人・交渉の通りやすさ筆者が発注側として持っている実感。数字の裏付けはありません
情報通信業の賃金厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査(2026-09-03 確認)

実感として書いた部分は、そう明記しています。統計であるかのように書くことはしません。

当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由で申し込みが行われた場合に報酬を受け取ることがあります。仕様・料金・制度は執筆時点のものです。根拠ラベルのとおり、筆者が実際に利用していないものはその旨を明記しています。