実家のしまい方誰も住まなくなった家を、どうするか
PRNO.001更新 2026-09-04手続きの順番制度・法令

実家を手放すまでの順番。先に売ろうとすると、たいてい止まる

相続した実家を売る前に、必ず先に終わらせないといけない手続きがあります。順番を間違えると、買主が決まってから数か月止まります。制度の一次情報にあたって、順序と期限を整理しました。

制度・法令:法令や自治体の公表情報に基づきます。条文と施行日を明記しています

相続した実家を手放すとき、多くの人がいきなり不動産会社に相談します。

その順番だと、たいてい止まります。売買契約の直前になって「登記が故人のままですね」と言われるからです。

この記事では、順序と期限を整理します。

この記事の立場

筆者は不動産業者でも司法書士でもありません。制度の一次情報(法令・公的機関の公表情報)にあたって整理したものです。

個別の物件についての判断は、必ず司法書士・税理士・不動産業者にご相談ください。

順番を間違えると何が起きるか

登記名義が故人のままだと、売れません。

不動産を売るには、売主が登記上の所有者である必要があります。名義が亡くなった親のままなら、まず相続人へ名義を移す(相続登記)必要があります。

これを後回しにすると、買主が見つかってから相続登記に着手することになり、相続人全員の合意と書類集めで、そこから1〜3か月かかります。買主が待ってくれるとは限りません。

実家を手放すまでの流れと、かかる時間
実家を手放すまでの流れと、かかる時間

相続登記は義務になっている

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。

  • 相続によって不動産を取得したことを知った日から 3年以内 に登記申請
  • 正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料の対象
  • 2024年3月31日以前に相続したものも対象(この場合は2027年3月31日まで)

つまり「まだ登記していない古い相続」も、期限が来ています。

過去の相続も対象です

「親が亡くなったのは何年も前だから関係ない」と思っている方が対象になっているケースがあります。

施行前の相続についても、2027年3月31日が期限です。

まず登記簿(登記事項証明書)を取って、現在の名義を確認してください。法務局で取得できます。

手放す方法は大きく2つ

売り方には「仲介」と「買取」があり、性質がまったく違います。

仲介と買取のちがい
仲介と買取のちがい
仲介買取
買主一般の個人不動産会社
価格市場相場に近い相場より低くなるのが一般的
期間買主が見つかるまで(数か月〜)会社が買うので早い
内覧必要不要なことが多い
契約不適合責任売主が負う免責とする契約が多い

どちらが良いかは、何を優先するかで変わります。

  • 価格を優先 → 仲介。ただし時間がかかり、その間も固定資産税と管理費用がかかる
  • 早さ・確実さを優先 → 買取。価格は下がるが、内覧対応も契約後のリスクも減る

遠方に住んでいて何度も帰れない、建物の状態が悪い、共有者が多くて長引かせたくない——こういう場合は買取が選ばれます。

数字を断定しない理由

「買取は相場の◯割」という数字をよく見ますが、物件の状態・立地・再販可能性で大きく変わります。

検証できない一律の割合をこのサイトでは書きません。実際の査定額で比べてください。

空き家のまま置いておくと起きること

「とりあえず様子を見る」が一番費用を生みます。

  • 固定資産税・都市計画税は所有している限りかかり続ける
  • 「特定空家等」「管理不全空家等」に指定されると、住宅用地の特例(固定資産税の課税標準の減額)が解除される

→ 実質的に税額が上がる

  • 建物の劣化が進み、解体費も査定額も悪化する

空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年に改正され、管理不全空家等(特定空家になるおそれのある状態)も勧告の対象に加わりました。「まだ倒壊はしていないから大丈夫」という状態でも対象になり得ます。

査定は複数取ってください

買取は会社によって金額が大きく違います。1社だけで決めないでください。

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無料査定全国対応を公称
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心理的瑕疵のある物件の買取・売却支援
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各社の公開情報に基づく記載です。筆者はこれらのサービスを利用していません。査定額・対応可能エリア・条件は必ず公式サイトと直接のやり取りでご確認ください。複数社から査定を取ることをおすすめします。

まとめ:先にやること

  1. 登記事項証明書を取り、現在の名義を確認する(法務局)
  2. 名義が故人のままなら、相続登記を進める(司法書士に相談)
  3. 遺言・遺産分割協議の状況を確認し、相続人全員の合意を作る
  4. 残置物の量を把握する(遺品整理の見積もりは物量で決まる)
  5. そのうえで、仲介か買取かを決めて査定を取る

売却の相談は5番目です。1〜3を飛ばすと、必ず戻ってきます。

この記事の根拠

内容根拠
相続登記の義務化・期限・過料不動産登記法(2024年4月1日施行)/法務省の公表情報
特定空家等・管理不全空家等空家等対策の推進に関する特別措置法(2023年改正)
住宅用地の特例地方税法
仲介と買取の性質の違い一般的な取引実務。個別の条件は契約書でご確認ください

制度は改正されます。 手続きに入る前に、必ず法務局・自治体・専門家に最新をご確認ください。このサイトは一般的な情報提供のみを行い、個別の助言は行いません。

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